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奥深い『観光地マグネット』の世界! 工芸品のように美しい逸品から「なんだコレ」なやつまで大紹介

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旅先、特に海外の観光地で、土産物店の壁にずらっと並んだカラフルなマグネットを見かけたことがあるだろう。現地の風景を半立体のレリーフにした、いわゆる観光地 / ご当地マグネットだ。ご自宅の冷蔵庫に1つ2つ貼ってある方もいるかもしれない。

筆者はこのマグネットが好きで、時には露店でボッタクられ、またある時には落として割り、またある時には機内預け入れ荷物の重量を超過したりしながらも、コツコツと集めている。重くて荷物になり、品質の落差も激しく、とても人にはお勧めできないお土産なのだが、なんともいえない味がある。しばらくは気軽に海外旅行とはいかない社会情勢だが、いつか行く旅先に思いを馳せながら、ユニークなものを紹介したい。

・ヨーロッパ編

いきなり発表してしまうが、もっとも筆者が気に入っている逸品がこちら!

ドイツはミュンヘンのマリエン広場のもので、新市庁舎、フラウエン教会、ホフブロイハウス(ビアホール)といったランドマークがバランスよく収められている。

フレームも木の枝のリースを模していて、ハート型なのも凝っている。樹皮の質感がリアルだ。このような空洞があるデザインは作るのに手間がかかるだろうに、チャレンジ精神も称賛に値する。さすが技術の国ドイツだと思う。

ちなみにヨーロッパでよく見かけるのは、古い羊皮紙というか巻物のような長方形のフレームで、リースというのは結構珍しい。

美的センスでいうとフランスも負けていない。これはモンサンミッシェルだが、ベースがフランス国土の形になっている。

満潮になると満ちてくる波の表現も緻密である。

パリのような大都市も、複数の建築物を無理なく配置してあり、デザインとしてまとまっていると思う。

はがれやすいという欠点があるが、ラメが入っているタイプもいい。

ところがどっこい、同じヨーロッパでもイギリスになると雰囲気がまったく変わる。

急にアニメタッチになるというか、原色バリバリでファンシーになるのだ。決して手抜きなわけではなく、デザインは凝っている……凝っているのだが、どこか洗練されていないというか……

う〜ん、なぜ!?

さらに、イタリアに行くと遠近法も崩れ

文字を真っ直ぐにするという努力を放棄

着色もなんか「テキトー」になってくる。

これ……文字がなければ、どこで買ったか分からなくなる自信がある。

もちろんこのような安価なお土産品は国内製造ではないだろう。なので、これがそのまま「お国柄」などと言うつもりはさらさらないが、せめて「もうちょっとだけ真面目に……」と言いたくなる。

ちなみにヨーロッパでは、1つの都市というよりも観光スポットごとにマグネットがある。例えば「ローマ」ではなく、「トレビの泉」「スペイン広場」「コロッセオ」といった具合だ。

同じ「トレビの泉」でも、素人の粘土細工のように稚拙なものから美しく凝ったものまで数パターンあるのでとても全部は買いきれない。行く先々で新しいデザインに出会うので、筆者は観光地1カ所につき1つというルールを自分に課していた。数種類並んでいても、ベストを1つだけ選ぶのだ。

ただし、後の店でもっといいものを見つけたときに限りズルをする。逆に「もっといいのがあるかも」と思って買わずにいて、その観光地を過ぎてしまったときは後悔してもしきれない。お土産とは、とっさの判断力と決断力を試されるギャンブルである。

・アメリカ編

続いてアメリカ大陸に行ってみよう。アメリカではヨーロッパに比べるとそれほどマグネット文化が発展していないように思われた。体感的には「時々見かける」という程度。

アメリカも、全体的な印象としてはイギリス寄り。どこかカートゥーン調というか、カラフルでカジュアルだ。

たぶん、シロクマだと思うが……

が、中にはリアルでカッコいいのもあったので、イギリスほどファンシーではない。

カナダも同じくカジュアルな傾向。ただ、デザインはややコミカルだが、毛並みや丸太の質感を丁寧に表現してあるなど造形に手抜きはない。むしろクオリティは高い。

・日本国内編

同じようなマグネットは日本にもある。京都や奈良などのメジャーな観光地なら土産物店で簡単に見つかるだろう。

……が、残念ながらラインナップが豊富とは言えないし、どうにも本来の実力を発揮できていない感がある。金色に輝く絵皿とか、漢字Tシャツを売っている観光客向けの店の片隅にある「ちょっとズレてる日本」的な……

例えばちょっと怖かったり……

いや、ここまで金ピカじゃないよね!? だったり……

林家ご夫妻ばりにショッキングピンクの桜だったり……

趣向は凝らされているし、ああアジアだな、とわかる感じもある。が、どこかコテコテのデザインが多いのである。そこに日本の侘び寂び(わびさび)の美意識とか繊細な技巧は感じ取れない。たぶん、色のチョイス?

ここは世界に誇る食玩の国。日本の技術を持ってすれば、世界がアッと驚く観光地マグネットが作れるはず。惜しい……惜しいのである……。

・奥深き観光地マグネットの世界

奥深き観光地マグネットの世界、いかがだったろうか。「なんだコレ……」と思うような珍品に出会うのもまた楽しい。2倍の値段で買ってしまったものも、着色手抜きのユルユルなものも、筆者にとっては宝物である。

もしこれから集めたいと思う方がいるなら、露店で売っているようなマグネットは販売元も製造元もわからないことが多く「一期一会」なので、気に入ったらすぐに買うこと。そして1つ1つは軽くても、10個20個となると結構な重さなので機内預け入れ荷物の重量制限に注意して、ぜひコレクションして欲しい。同志をお待ちしている。

執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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