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生まれて初めて買った一眼レフのデジカメを13年ぶりに手にしたら、たくさんの大切なことを思い出した

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一眼レフやミラーレスのデジカメは、私にとっては仕事上の大切な武器でもあるので、できるだけ高性能な最新機種を常に持っておきたい。よって、買っては売って、買っては売って……と10年以上繰り返してきた。

ちなみに現在のメインは「PENTAX KP」という一眼レフ。私、根っからのPENTAX党だ。なぜPNETAXにこだわるのかというと、13年前、生まれて初めて手にした一眼レフデジカメがPENTAXだったからである。

そんな「生まれて初めて買った一眼レフ」を、いま手にして撮影したら、はたして どんな気持ちになるんだろう……? 気になったので、やってみた。

私が生まれて初めて購入した一眼レフは、PENTAXの「ist DL」という機種だった。2006年購入で、たしか10万円くらいはしたと思う。貧乏だった当時の私は、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したものだ。

その当時の機種とまったく同じモノを、メルカリを探しまくって見つけ出した。ちなみにカメラ本体とレンズは別注文。本体カラーこそ違うが、機種も、そしてレンズも当時のまま。そして……

そうそう、電池式だったよなぁ……。単三電池4本で。電気事情が良くない海外にいた時は、この電池式がものすごく便利だった。だって、充電気にせず、電池を買えば良いのだから。

で、何も気にせず、余っていた64GBのSDカードを入れたら起動しなかった。そうか、そんな大容量のカードに本体が対応していないんだ……と、1GBのSDカードを入れたら無事に起動。

思い返せば、昔は256MBや512MBのSDカードを使っていた。1GBなんて高くて手が出ず、2GBなんて天空レベルの大容量だった。そんな時代のデジカメが、32GBなんて天文学的な数字に対応できるわけがない。

そして構えてみると……

軽っ!

「こんなに軽かったっけ……?」ってくらいにカメラが軽い。逆に、いろんな機能が詰まりに詰まった今のカメラが重すぎるのかな? ともあれ……

被写体を探して……

シャッター半押しで……

これこれ!

AF(オートフォーカス)が遅い。笑えるくらいに遅い。なかなかピントを合わせてくれない我が愛機に昔はイライラしてたけど、今となっては逆に愛おしい。そしてシャッターを切ってみると……

ガッシャン!(これこれ〜っ!!)

無駄に大きなシャッター音。まさに「シャッターが落ちました」といった音のするシャッター音。しかし生まれて初めて一眼レフを手にした当時は、この大きなシャッター音にいちいち感動していたものだ。

なつかしいな……。

手が、体が覚えてる……。いろんな操作も覚えてるし、細かい設定も覚えていた。そして適当に撮ってみた写真を確認すると……

撮れるじゃん!

昔の一眼レフでも、ぜんぜん良い写真が撮れちゃうじゃ〜ん!!

いや……

あのころは今よりもいい写真が撮れてた気がする。

メモリーカードの容量も少ないから撮れる枚数も少ないし、AFのスピードも激遅だし、画素数も少ないし、動画も撮れないし、機能も少ないカメラだったけど、だからこそ……

一枚一枚に大切に撮ってた気がする。

たくさん失敗もして、いろんな設定も必死で覚えて、なんとしてでも良い写真を撮ってやろうと、必死だった気がする。全力だった気がする。全身全霊でカメラと向き合って……

心をこめて真剣に撮ってた気がする。

今はどうだ。

1枚1枚、大切に撮っているか? 必死になれているか? 真剣に向き合えているか? そこに心は入っているか?

AI任せにしてないか?

思い出さなきゃならないんじゃないか、昔の自分を。機械(AI)任せにするんじゃくて、心を込めなきゃいけないんじゃないか。原点に戻らなければならないんじゃないか。

思い出せ!

日々進化していくカメラの性能。それに比例するように、一番大切なことを忘れてしまっていたような気もする。しかし、今、思い出せた。そしてわかった。真に進化せねばならないのは、自分自身であることを。カメラとともに。

Report:GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.