日本人の平均在宅時間は15.8時間/日。一日の、そして一生の半分以上の時間を過ごす「お家」は、私たちにとって非常に思い出深いものですね。さて、そんな「お家」にまつわるとある作品が、現在Twitter上で話題になっているのをご存じでしょうか。まずはその作品を、ツイートと共にご覧ください。

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twitter.com@puchinleda

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この作品は、投稿者であるaccoさんの亡きお父様が、がん闘病中に制作したもの。昭和20年代頃、学生時代を過ごした新潟の実家を、身近な材料を使って再現しています。作品は片手で持ち上げられるほどの大きさですが、内装、建具に至るまで、しっかりと作り込まれています!

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作品を紹介するツイートは、現在70,000件近くのいいねと、20,000件以上のリツイートを記録!しかしaccoさんにとって、こうした周囲の反応は、単に「話題になった」という以上の意味を持っています。

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その理由は、今から3年前に行われたお父様のご葬儀にありました。

長い間、肺がんを患っていたというaccoさんのお父様。お住まいは千葉にあり、当初は東京の病院に通院をしていましたが、がんの進行に伴って、故郷である新潟の病院に転院。そうして同地で息を引き取ってしまったため、東京や千葉のお知り合いは、葬儀に参列できませんでした。

入院先を故郷に移したことで「新潟の桜が見たい」という父の夢を果たすことはできましたが、accoさんはそれでも心残りだったと言います。そうしたこれまでの経緯を踏まえた上で、accoさんは今回の反響について、以下のように話しています。

「もっと大勢の人に見送られたかったんじゃないかな」という気持ちがこの3年間ずっとあったのですが、こうして多くの皆様に作品を見てメッセージを頂けたことで最高の供養になったと感じております

さて、accoさんがこの作品を投稿したのは、引っ越しに向けた荷造りの途中。

accoさんの話によると、作品は引っ越し先でも大切に保管されるとのこと。亡き父が、我が子に託した「小さな遺産」――それはあたたかい思い出とともに、末永く受け継がれてゆくことでしょう。